老化にみられる遺伝因子


 老化に関連する指標として大動脈脈波速度,血圧,骨塩量を選び,双生児を対象にした分析結果を紹介した。同様に,文献上報告されているアルツハイマー病の双生児症例について考察を加えた。大動脈脈波速度,血圧,骨塩量のいずれもが遺伝因子に強く支配されている指標であることが明らかにされた。大動脈脈波速度は動脈硬化と,骨塩量は骨粗鬆症と深く関わっており,双生児研究法を用いればそれらの環境因子中のリスクファクターの分析も可能であることを示唆した。血圧値は従来相加的遺伝子の支配にあるとされていたが,今回の分析から非相加的遺伝子(単一遺伝子)の関与も示唆され,高血圧の病因解明に新しい糸口をあたえたと考えられる。アルツハイマー病には遺伝的異質性が存在する。病因解明の戦略としては,優性遺伝子による群には分子生物学的アプローチを用い,多因子性遺伝による群には環境因子中のリスクファクターを究明することである。

 キーワード:老化,大動脈脈波速度,血圧,骨塩量,双生児研究法

 老化の指標ないしそれと関連ある疾患について,双生児研究法を用いた分析結果について概説しようと思う。それらは,以下の4つである。1〜3は著者らの資料,4は文献例からの結果および考察である。
  1.大動脈脈波速度(Aortic Pulse Wave Velocity,PWV)
  2.血圧
  3.骨塩量(Bone Mineral Density,BMD)
  4.アルツハイマー病

1. 大動脈脈波速度(PWV)の遺伝因子 
 動脈硬化の非観血的,生物物理学的検査法としてPWV法が開発されているが,その手技,基礎,臨床,疫学研究等についての詳細は省略する1)‐2)。1卵性双生児18組(年齢19〜49歳)についてPWVの級内相関係数を求めたところ0.6810(P<0.0001)という高い値が得られた。その相関図を図1に示す。年齢の増加とともにPWVの双生児間の差が大きくなるかどうかをみるため,年齢と対差(|A‐B|/(A+B))の相関係数を求めたところ-0.0153(P=0.952)であった。すなわち,相関係数は正の値を期待したがむしろ負の値であった。今回の資料の値が正常範囲内であることを考慮しても,これらの結果はPWVは遺伝規定性の強い指標であることを示唆している。


 60〜144ヵ月の期間を観察した疫学的研究2)によれば,動脈硬化性疾患では年齢の推移とともに動脈硬化が高勾配で進展推移することが知られている。一方,PWVの経時変化は年齢,性別,初回PWVに関係なく個体差が大きかったという。各個体によるPWV値の経時変化を年代毎の勾配でみた場合,30,40代では低勾配で推移するものが大部分であるがなかには高勾配で推移するものもある。60,70代では高勾配で推移するものが若干多く認められたという。つまり動脈硬化進展程度には年齢にかかわらず個体特異性が著明であったということである。個体特異性が存在することは,すなわち今回の双生児分析から得られた遺伝要因の存在を裏付けるものである。
 また,移住集団を対象にした調査研究によれば日本人,ハワイ在住のJapanese-American,カリフォルニア在住のJapanese-Americanの順でPWVの値が上昇するという興味深い結果が報告されている3。すなわち,著しい環境変化,例えば摂取する食事内容の変化などがあればそれがPWV値に影響を与えることが予想される。もし1卵性双生児間においてPWV値に相当の違いが認められた場合,その環境要因を分析すればPWVの上昇すなわち動脈硬化をもたらした環境要因中の危険因子を同定でき,早期発見,さらには早期予防に貢献できることが期待される。


2. 血圧の遺伝因子と環境因子の相対強度
 双生児の血圧を対象にした分析より,その遺伝規定性が強いことはよく知られている4)-5)。ここでは双生児の血圧の級内相関係数から遺伝率を求める古典的方法と,遺伝因子と環境因子の相対的貢献度を明らかにする最尤法を用いた結果を紹介する。97組の1卵性双生児と23組の2卵性双生児を対象に血圧値の分析を行った結果,収縮期血圧,拡張期血圧とも1卵性双生児の級内相関係数は2卵性双生児のそれより有意に高く,遺伝率は収縮期血圧では0.5398〜0.5808,拡張期血圧では0.2673〜0.2920であることが見出された(表1)。



 さらに遺伝要因として相加的遺伝要因と非相加的遺伝要因(優性効果とエピスターシス),環境要因として双生児に共通な環境要因と独立な環境要因の4つの因子を仮定し,いくつかのモデルについて最尤法(Lisre17による)を用いて検討してみた。得られた結論の第一は,表現型に対する共通環境要因の貢献度は無視してよいということであった。残りの3つの因子を用いて最尤値を求めた結果は,同じく表1と図2に示したとおりである。遺伝因子から説明できる割合は収縮期血圧では71.0%(38.9%+32.1%),拡張期血圧では41.1%(9.0%+32.1%)であった。この値は古典的方法で求めた遺伝率より若干高い値であるが,双方にとって矛盾した値ではない。また,独立環境因子の寄与は収縮期血圧より,拡張期血圧の方に大きいのは遺伝率の値の場合と同じである。さらに,この分析から得られた結論として非相加的遺伝子が収縮期血圧,拡張期血圧ともに約30%の貢献をしていることが明らかにされたことである。すなわち,血圧値を支配している単一遺伝子の存在が示唆されたことである。
 最近話題になっている血管収縮作用のある,すなわち昇圧作用のあるホルモン様物質としてエンドセリン(Endothelin,ET)がある。1988年筑波大の真崎らは,ブタ大動脈内皮細胞より,強力な血管収縮性ペプチドの単離,構造決定に成功し,エンドセリンと命名した6)。ETは既知の血管収縮物質の中で最も強い活性と昇圧作用を有し,血圧調節や種々の病態との関連が注目されている。また,高血圧の合併症,動脈硬化と関連する因子として臨床検査に応用される可能性がある7)-8)。ET FamilyとしてET1,ET2,ET3が知られているが,これらを支配する遺伝子座位も極く最近明らかにされた9)
 血圧値を決定しているのは従来相加的遺伝子(多因子)によるとされていたが,単一遺伝子の存在が示唆された以上その病態的変化例えば高血圧の発症の際,当該遺伝子が病因的意味をもってくることも予想される。従って,同じく多因子遺伝によるとされていた高脂血症の一部にLDLレセプターの異常によるものが見出されたり,あるいはインスリン抵抗性糖尿病の一部にレセプター遺伝子の欠損が発見されたのと同じ様に10),エンドセリン関連の物質あるいはそれを支配する遺伝子の解明が高血圧に対する新しい研究分野を開くものとして注目されよう。


3. 骨塩量(BMD)の遺伝因子
 人口の高齢化が急速に進むわが国で,今後大幅な増加が予想される疾患の1つに骨粗鬆症がある。厚生省などの調査によると,現在でも60歳以上の女子の30%,男子10%に程度の差こそあれ,骨粗鬆症が認められるという。また,寝たきり老人の10〜15%は骨粗鬆症による骨折が原因だとされている11)。骨塩量は骨粗鬆症の診断に必須であるばかりでなく,その早期発見,予後の判定にも極めて重要である。骨塩量の遺伝因子と環境因子については,すでに多くの研究報告がある12)
 骨塩量の測定は,デュアルフォトン法(Dual energy X-ray absorptiometry)を用いた。この方法の特徴は骨粗鬆症による骨折をおこしやすい大腿骨頸部や腰椎の測定が正確にできること,全身をスキャンしても通常の胸部X線被曝の1/3程度であること,全身のスキャンに要する時間も15分と比較的短いこと,などである。測定部位は全身の他,上に述べた骨粗鬆症で骨折をおこしやすい腰椎および大腿骨頸部,さらに全身をスキャンして頭部,上肢,肋骨,脊椎,下肢の5つの部位に分けた計8つである。
 表2は1卵性双生児とランダムペアにおける8つの部位の級内相関係数を示したものである。ここでいうランダムペアとは双生児間の相手を換えて血縁関係のないペアをつくった時,そのような組み合わせの1組を表2に示したということである。表2にみるように,1卵性双生児の場合はすべての部位において有意に高い相関を示し,ランダムペアの場合には無相関である零に近い値か負の値である。これらの所見は骨塩量が遺伝的因子に支配されていることを物語っている。図3はそのうち全身骨塩量(BMDT)の相関図を示したものである。



 骨塩量の年齢による変化を認めている報告がある13)。それは10歳〜70歳の双生児を対象にした研究で,25歳を境に脊椎骨の骨塩量を低年齢群と高年齢群に分け各々の級内相関係数を比較したものである。その研究結果によれば,25歳以下の群では有意に高い値を示したが,25歳以上では有意な値にならなかった。著者らの資料を用いて低年齢群と高年齢群を40歳を境に比較した場合いずれも有意な値が得られ(表3),先の研究とは一致しない結果になった。この一因としてわれわれの資料が50歳以上の年齢層を含んでいないことが考えられる。



 双生児間の環境の影響をみるために,骨塩量の対差と年齢との相関をみたが,表4にみられるように有意な相関は見出されなかった。年齢が長ずるに従い環境因子が影響して双生児間の差が大きくなるのではないか,という予想は当たらなかった。むしろ負の相関がみられる部位もあり,とくに大腿骨頸部では有意な負の値を示している。以上の所見は骨塩量が正常範囲でかつある年齢までは,遺伝因子が骨塩量を規定していることを示している。すなわち,骨塩量は遺伝規定性の強い指標であるといえる。



 それでは骨塩量はどのような環境因子が働くと影響をうけるのであろうか。この問題を解明する糸口として,あらかじめ質問紙票によって生活習慣の情報を得てあったのでその分析を行った。生活習慣として喫煙,飲酒,過去の運動,現在の運動,摂取している食物(牛乳,海草,魚貝類等),日光によくあたっているかどうか等を調べた。その結果,いくつかの部位の骨塩量と有意な相関がみられたのは過去の運動と現在の運動であった。とくに過去の運動(具体的には,中学,高校時代のクラブ活動などのかなり激しい運動)との相関が高かった。腰椎と大腿骨の骨塩量において一方が喫煙者と残りの方が非喫煙者の1卵性双生児の間で有意な差があった,とする報告がある14)。この差は通常の閉経後3〜4年の骨塩量の減少に相当する程であるという。しかし,われわれの分析ではこれと合致する結果は得られなかった。


4. アルツハイマー病の遺伝的異質性と病因解明への戦略
 今までに報告されているアルツハイマー病の双生児症例はそれ程多くなく,しかも散発例が大部分である。系統的研究とみなせるのはNeeら(1987)15)のみで,残りは症例報告である。Creaseyら(1989)16)の報告はオーストラリアの双生児登録資料より得たものであるが,症例の確認は質問紙により行われている。表5に双生児症例の一覧を示した17)-26)。卵性診断に関しては単に写真判定だけによるもの,近親者の情報などによるもの,多くの遺伝マーカーを検査して厳密に卵性診断をしたものまで,その精度はまちまちである。不一致ないし不完全一致の判定に関しては原報告者と違っている症例もあるが,発病年齢にかなり差があるとか,症状の程度に差があるとかを考慮して,著者らが判断したものであることを断っておきたい。表5をみてみると,一致の組数の割合は13/30,不一致のそれは17/30であり,後者の割合の方が大きい。さらに,不完全一致の組を不一致とみなすと不一致組数の割合は20/30と上昇する。意外と不一致症例の組が多いといえるのではなかろうか。ある疾患について1卵性双生児が不一致の場合,それは当該疾患に関して病因的意味をもつ環境要因が存在していることを示唆している。また,家族歴の情報の得られている症例のうちアルツハイマー病一致の組について家族歴有りの組は8/13,無しの組は5/13である。アルツハイマー病不一致の組について家族歴有りの組は3/14,無しの組は11/14である。不完全一致例を不一致例とみなせば,不一致の組はすべて家族歴無しとなる。すなわち,一致症例の家系に遺伝負因が多いが,逆に不一致症例の家系には遺伝負因が少ないといえる。このことは,一致症例と不一致症例のアルツハイマー病とは遺伝的に異質のものである可能性を意味している。もし双生児症例が多数得られるようになれば,躁鬱病において単極性と双極性躁鬱病の存在が双生児の一致率の違いから支持されたように,同様の研究strategyが用いられよう27)



 家系研究からも臨床的に発病年齢の早い群と遅い群のあること,かつ前者の方に家族集積性のあることが知られている。双生児症例で一致群のアルツハイマー病は前者,不一致群のそれは後者にあたると考えられる。一致群はおそらく単因子遺伝(優性遺伝子)によるものであり,不一致群は多因子遺伝によるものであろう。このようにアルツハイマー病に遺伝的異質性があるとすれば,その病因解明のstrategyは自ずと異なってくる筈である28)
 優性遺伝子によるアルツハイマー病の究明は,分子生物学的方法を用いた21番染色体上の責任遺伝子を突き止めることであろう。老化一般の現象とされる老人斑に含まれるβ蛋白を支配している遺伝子はほぼ同定されている段階にあり,痴呆そのものと関与しているとされる神経原線維変化のもとであるタウ蛋白を支配する遺伝子が捉まえられつつある。
 多因子遺伝に従うアルツハイマー病については,それを誘発する種々の危険因子ないし環境要因が候補に挙げられているが決定的なものはまだ分かっていない。重篤な頭部外傷,甲状腺疾患,アルミニウムなどの金属曝露,ウイルス感染,免疫系統の異常などが議論されているが,結論はでていない24),28)

 本稿は第6回山梨医科大学医師会講座(平成2年7月7日)における講演をもとに執筆したものである。 


文献
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Abstract
Subjects were monozygotic twins. Aortic pulse wave velocity (PWV), blood pressure (BP) and bone mineral density (BMD) were examined. It was revealed that PWV, BP and BMD were all strongly determined by genetic factors. It is well known that PWV or BMD is an excellent indicator of arteriosclerosis or osteoporosis, respectively. For the early detection or prevention of these diseases it is necessary to examine PWV or BMD. At the same time, it was shown that risk factors in the environment were effectively clarified by use of twin method. BP was said to be influenced by additive genes. However, the efect of non-additive genes or single gene may play an important role for the value of BP as well as for the manifestation of hypertension, due to the present study, that is, by the newly designed maximum likelyhood method. Monozygotic twins concordant or discordant for Alzheimer disease in the literature were analysed. The result indicated the presence of genetic heterogeneity of Alzheimer disease. Therefore, the strategy for the clarification of the disease should be made by different way according to the different mode of inheritance. Molecular genetic study was persuaded to the group which is under genetic control of a single dominant gene. Another approach shoud be the investigation of the risk factors in the environment for the group, which is caused by the effects of multifactorial inheritance.