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■ なぜ、農場が二つあるの？
なぜ農場が二つあるのか、私（息子、渡邊正義）が父（徳三）にインタビュー！！
正義 父さん、羽衣洋蘭園の農場を八ヶ岳にもつくった経緯をおしえてよ
徳三 シンビジュームというのは原種が約２０種類あるんだが、半分近くはインド、ミャンマー
それと中国の雲南省（中国の南端）の高冷地に自生しているものなんだ。現在交配
されたシンビジュームで重要となっている親に当たる原種もやっぱり高冷地が多い。
だからいいシンビジュームを作ろうと思ったら、高冷地じゃなきゃだめだし、
ほら、ウチはオリジナルの育種やっているだろ。高冷地に農場があれば、
育種でつくった花を生かしやすいんだよ！暖地じゃ（静岡）、腐ってしまうような
弱い品種でも八ヶ岳ならできるだろ。
育種で綺麗な花ができたと思うと、そういう花に限って腐りやすかったりするんだよ。
だから、八ヶ岳に農場をつくった。
正義 なるほどね・・・・。
じゃあさー、高冷地はわかったけどさ、なんで八ヶ岳なわけよ。
富士山だって近くにあるじゃん！！
徳三 昔、山上げを富士山にしてたけど、富士の南麓は霧がかかるんだろーー。
駿河湾で蒸発した水蒸気が富士の南斜面にぶつかんだ。
だから日照が悪いだろー。だから富士山はだめだった！
八ヶ岳は日照量が日本の中でもトップレベル。農場は高根町にあるけど
近くの明野村が日本で一番日照が多いんだ。八ヶ岳には綺麗な水もあるしな。
正義 今、山上げって言葉が出たけど、オレはわかるけど、ホームページ見ている人に
わかり易く説明してよ。
徳三 うーーん、山上げというのは簡単に言うとシンビジュームの夏の清涼だよ。
山上げをする場所を山上げ場って言うけど、それは人間で言うところの山の別荘だ。
人間も夏になると涼しい山に行きたがるけど、シンビジュームも同じ。
夏に休ませてあげると、開花が早くなるんだ。正確には人為的にシンビジュームの
体の働きを止めさせないって事になるのかな。
静岡のように暑いところで、１月に咲く花が、山上げによって１２月の需要期に出荷
できる。だから、せっせとトラックにシンビジュームの株を積んで高冷地に持っていって
１０月になるとまた、せっせとトラックで戻す。
シンビジュームの鉢物農家はよくしているけど、切花農家はしてる人、そうでない人
いろいろだな。
正義 イチゴもやってるよね！静岡の早生のイチゴなんかは富士山なんかに山上げしてるよね。
あのさ、話は変わるけど暖地である静岡の良さもあるんでしょ。
徳三 あるよ。重油代が掛からないのがいいね！
暖房費が掛からないって言ったほうがいいかな？
八ヶ岳は暖房代がすごいからね。それに比べたら天国だよ。
だから、１１月や１２月の需要期向けは八ヶ岳みたいところで早く咲かせるように
つくって、１，２月以降の遅咲きは、静岡で経費をかけずにゆっくり咲かせる。
正義 後は、何か、言いたんないことある？
徳三 近年わかったことだけど、一つの品種を八ヶ岳と静岡でつくることで、通常より長く
出荷できることがわかった。
いい花は長く出荷したいし、お客さんもそれを望んでいるっ・・・・・っと思う？
正義 最後は、何だか、自信なさげだったけど皆さんご理解いただけたでしょうか？
こんなわけで、静岡と八ヶ岳の二箇所に農場があるんです。
どちらもいいとこなので、皆さん遊びに来てください。
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