豊川さんの名言&名台詞
Etsushi's remarks & impressive lines 〜


 豊川さんの名言&名台詞を振り返ってみました.


   「詩人・豊川悦司2」

 私が友人にわがままをいって入手した作品の引用です.

 安田成美のような人.

  五月が似合う人.
  思い出を上手にしまえる人.
  事実の,その向こう側が視える人.
  歯ぐきを見せて笑う人.
  息子には勇気を,娘には優しさを与えられる人.
  土の香りがする人.
  その体に流れる血がとても赤い人.
  空気を味方にできる人.
  バレエのプリエのような立ち方をする人.
  陶器の青白さをもつ肌に包まれた人.
  嘘のない人.
  嘘をつきたくない人.
  人妻じゃなかったら奪いたい人.
  人妻であっても愛していたい人.
  春も夏も秋も冬も裸のような人.
  ひまわりよりも丸い人.
  ウニよりもとげとげしい人,
  その中身のようにまろやかな人.
  何を視ているのか
  知りたくなるような瞳をもつ人.
  迷ってる人.
  少しだけ自分をごまかそうとする人.
  捨て身になっても投げやりにならない人.
  きっと料理があまりできない人.
  そんな料理をおいしいと食べてくれる人に愛される人.
  ぺたんこの靴が似合う人.
  前からよりも,後ろから抱きしめたくなる人.
  すり合わせるとほのかに香る匂いガラスのような人.

                    豊川悦司

 この文章はちょうどフジTV「この愛に生きて」で豊川さんと共演なさった後,成美さんがNHKの降板騒動を起こした頃に書かれたものだそうです.「この愛に生きて」は,役柄を通り越して本当に安田さんのことを愛しているんじゃないかと思わせるような迫真の演技でした.この文章を読んで嫉妬したという友人の言葉は,全くわたしにもあてはまりました.もっと豊川さんに熱かった頃に読んでいたら眠れなかったかもしれません.この文章を読んでいると,豊川さんはなんて表現力の豊かな人なんだろうと感心してしまいます.すべてが的を得ていて,美しい.(1998.9.28 きうち)


     前回のテーマ「詩人・豊川悦司」

『TVぴあ』関東版8|5月号,
「せつなすぎる夏の情景(シーン)」ドラマ演出家土井裕泰の世界,p.116.
からの引用です.

 「証言/豊川悦司」

  春にあなたと再会し,
  夏を共にどっぷりと過ごし,
  秋は北から南から旅し,
  冬には真夏を想わせる異国にいた.
  パラソルの影で
  小さなブラウン管を視つめ,
  ホテルの小机で
  ささやかなビールを飲み干し,
  CDを聴き,
  少しだけ自分たちのことを語り合った.
  眠い目をこじあけ,
  降る星空に未来を捜すかのように
  流れ星を追い,
  同じ場所に幾度も通って,
  幻に似た一瞬を
  フレームの中に収めた.
  あなたと過ごす時間は
  いつも疲れる幸福で満たされていて,
  そしていつ訪れるやもしれぬ再会を
  待つ別れとなる.
  同時代を生きる演出家と俳優として,
  ここでこんな風に語れる分だけ,
  僕はあなたに友情を想う.
        註:文章はそのままの形で引用しました.

                    豊川悦司

 豊川さんのかく文章って,だらだらしてなくて好きです.映画「私たちが好きだったこと」の宣伝ちらしの文章もなかなかポエムしてましたよね.そのほかにも,いろんなところでかいま見られる豊川さんの文章はとてもクレバーな印象をうけるものばかりです.
(1998.7.29 きうち)


第1回のテーマ「女を口説く」
第2回のテーマ「ハイリスク・ハイリターン」
第3回のテーマ「心に残る名台詞」
第4回のテーマ「豊川悦司を再確認するための言葉」
第5回のテーマ「演出家・豊川悦司」

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