新緑が美しい季節になりました、しかし日本経済の方はまだまだ冬が続きそうです。日本でも銀行がつぶれる時代になったそうです。今まで主取引銀行に資金を集中していた企業・個人が、数多くの銀行に貯金を分けてリスクの分散をする様になりました。たくさんの銀行に分けて貯金をしておけば、一つの銀行がつぶれても、被害が少なくて済みます。
最近イベント会場等の人がたくさん集まる場所で携帯電話が繋がらない事がよくあります。これは携帯電話の電波の帯域が不足して、一つの周波数に沢山の人(電話機)が信号を出そうとするためです(輻輳"ふくそう"と言います)。
この輻輳を防止する無線方式に「スペクトラム拡散方式(SS方式)」と言うのが有ります。沢山の周波数を用意して全部の周波数で同時に信号を出します、こうすれば一つの周波数がだめでも被害が少なくて済みます。
この「スペクトラム拡散」を使った方式を、従来のTDMA(時分割多元接続)に対しCDMA(符号分割多元接続)とよび、次世代携帯電話の通信方式として脚光を浴びています。
小学校時代の思い出に昼休みのブランコ遊びが有ります、校庭の片隅にブランコが4台有り大勢の生徒が群がって、それでも一応の秩序を持って順番に乗っていました。その頃から数に限りある物を大勢で利用する方法をそれなりに学だ様な気がします。
NTTはインターネット等の普及で需要が広がっている定額料金制を検討しています。定額料金制を採用すると問題になるのが数に限りがある通信回線に大勢の人が群がって接続しようとし、つながらない人が出てしまう(輻輳と言います)事です。NTTでは輻輳を防止するため、定額制の時間帯内の利用であっても、1カ月間の累積接続時間が一定時間を超えたら、従量制で超過料金を取るという変則的な定額制(半固定制)を検討しているそうです。
通信回線は、私が入社した当時まだアナログの回線が主流でした。基幹回線のアンプを設計する場合「ピークファクター」と言う考えを元に設計しました、単純に考えると、一人の音声を増幅するのに1V(ボルト)のダイナミックレンジが必要な場合、1000人の音声を増幅するためには1000Vのダイナミックレンジを必要とします。しかし1000Vのダイナミックレンジを持つアンプなど現実的では有りません、そこで1000人が話をする場合でも、実際に音が出ている時間は全体の数%で、かつ音と音のピークが重なる確率は小さいので、それを無視しようと考えました。この無視する割合をどの位にするのか、またどの位にすればアンプのダイナミックレンジをいくつまで下げられるかを理論的に示したのが「ピークファクター」です。
最近の通信回線は全てディジタルに成ってしまいました。電話一回線を伝送するには8bit/8kHzサンプリングで64kbit/sが必要です。単純に1000人の伝送をするには64000kbit/s=64M(メガ)bit/sが必要になります。しかし元々隙間だらけの情報ですから信号を圧縮する事が可能です、またアナログと同じようにピークを多少捨てても問題ないはずです。このピークを多少捨てても問題ないと言う考えで出来ているのが「ATM方式」です(厳密には一寸違います、あくまでイメージとして理解して下さい)。
加入者線は(やっと本題に入りました、前振りが長かった・・!?)NTTの局舎と加入者宅を導線(昔は銅線でしたが最近は光ファイバもあるので導線とします)で直接接続しています。これは電話を使っていない間もづっとつながったままです。でもこれではもったいない不経済です、かつ電話中であってもインターネット接続のように信号がバーストで時間的には殆ど空き時間となっています(例えば36kのモデムで接続しても実際の信号は途切れ途切れで平均すると数kの伝送速度となっているのは経験していることと思います)。これを空き時間も含めて料金とするのはインチキです。
どうせ途切れ途切れの信号なのだから、空いている時間に他の人の信号を入れて一つの回線を大勢で使用できるようにする方式が考えられました「PDS方式(パイシステム)」です。基幹回線も交換機を使用して回線ごと接続する方式から途切れ途切れの信号毎に接続する「IP接続方式」に変わりつつあります。交換機がルータやハブに置き換わります。
従来、基幹系と加入者系に分かれていた通信方式と機器が、どちらも同じ様な物になりそうです。また、限られた通信回線を大勢で秩序良く使えるように成れば料金も安くなるでしょう。
本当は限られた回線を大勢で秩序良く使える方式を色々考察しようと思って書き始めたのですが、純粋な技術論となってしまいそうで(勉強不足で簡単にうまく説明できない)止めました。話が掲題からずれています、すみません。
以上