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責任保証制度の説明

(1) 責任施工制度とは @ 制度の役割
     
(2) 責任施工制度の概要 @ 保証の原則
    A 対象工事
    B 保証期間
    C 保証の方法
    D 保証の免責
     
(3) 事故の処理 @ 苦情の受付
    A クレームの判定
    B クレーム処理の方法
    C クレームの再発防止
(4) アフターケア @ トラブル防止
     
(5) 生産物賠償責任保険の活用 @ 賠償保険の内容
    A 事故発生の場合
     
(6) 制度への支援体制 @ メーカーと共に 
     
(7) (株)全日本建築板金保証センター @ 組合との関係
    A 全板保証センターの概要


1.責任施工制度とは
  建築に限らず創りだされたものが、十分に機能しなかったり、あるいは欠陥が生じることは社会
的に認められないことです。建築の屋根に求められるものは美観、防水性、耐久性であり、これは
「環境に合致した工法により良質や資材を用い、優秀な施工やその管理に当る」ことによって保持
することが出来ます。当業界は屋根工事、板金工事に当る専門工事業の団体として業界における
施工水準の維持向上をはかるため、関係方面の支援を得て株式会社全日本建築板金保証センター
(全板保証センター)を設置し、その施工責任を明確にしようとしています。
<制度の役割>
@業界ぐるみで責任施工の明確化をはかる。このため、団体は屋根工法及び施工検査の標準化、
  使用資材の選択、技術者の育成にあたる。
A使用資材の選択にあたってはその特徴を十分に理解し、資材メーカーとの強調を保つ。
B引渡し後のアフターケアを制度化し、顧客への奉仕につとめる。
  故障、クレームが生じた場合、それが資材メーカー及び専門工事業者の責による場合は無償で
  修復する。
Cまた、不完全な施工が原因で顧客の財物に損害を与えた場合(例:雨漏りにより、天井や壁に
  シミが出来た)には、契約先の損害保険会社の規定内で賠償する。

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2.責任施工制度の概要
(1) 保 証 の 原 則
区  分 内        容
1.保証の原則 1)組合員が施工する工事についての保証を行なう。
2)材料・施工(材料)ともに保証の対象とする。
3)原則として漏水等による物品の損害賠償は全板保証センターと契約した保険
  会社の取扱いにより別に行う。
2.工事の種類  1)屋根工事及び板金工事
 2)講法及び使用は各都道府県組合で策定し、全板保証センターへ届け出た
及び    ものによる。
 講法・仕様  3)各都道府県組合が定めた検査規格に合格し、組合が合格保証書を交付した
   工事。
3.施工者の資格  1)全日本板金工業組合連合会及び社団法人日本建築板金協会を構成する
   都道府県組合が定めた資格講習を終了した者が在籍する企業。
4.使用する主材料  1)表面処理鋼板類
 2)銅板・チタン等非鉄金属板
 3)塗装ステンレス鋼板(SUS304,SUS316)
 4)アルミニュウム合金板
 5)窯業系屋根・外壁材
 6)硬質塩化ビニール雨とい
 1)民間工事で屋根面積1,000uを超える建物(構造、検査方法等)
 2)工場、ボイラー等の排気または周囲環境による腐食、破損の恐れのあるもの
5.地域により検討    (工場地帯、海岸地帯、業務用ボイラー又は家庭用ボイラーとの関係、樹木)
  して設定するもの  3)結露の恐れがあるもの(換気設備、断熱処理の有無)
  等(一律の保証に  4)水漏れの恐れがあるもの(屋根裏換気の状態)
  ならないもの)  5)腐食の恐れがあるもの
 6)外力による損傷が生じると思われるもの(付帯設備等)
 7)融雪装置等を施工したもの

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(2) 対 象 工 事
  屋根、樋及び壁工事のいづれかの場合でもそれぞれ単独個別の単位に区分し、区分し単位を1つの
物件とみなして対象工事とする。
従って区分した単位の一部を修繕した場合などは対象とならない。
   (単位屋根面)
◆@・A・B・Cを区分した単位屋根面とする。
◆区分した単位屋根面全体の新規施工又は
  葺き替え工事を対象とする。
  (単位壁面)
◆(A)・(B)・(C)を区分した単位壁面とする。
◆区分した単位屋根面の一部(斜線部分)
なので対象としない。
(3) 保 証 期 間
 施工者が工事発注者へ施工物件を引き渡した後、一定の期間内の施工者の責に帰す原因により、
その性格に欠陥を生じた場合の保証を行なう。
対    象 保 証 期 間 品  質  性  能
屋根の防水 10年以下  防水は雨水が室内に侵入してはならない。
雨 と い 5年以下  樋は脱落、破損、たれ下がり、著しい腐食等の現象が
 生じ、その機能を損なってはならない。
壁の防水 10年以下  外壁は雨水が侵入して室内仕上げ面を汚損しては
 いけない。
 期間がこれと異なる場合には別に定める方法により、全板保証センターへ届け出を行い承認を
得るものとする。
(4) 保証の方法
保証期間内に保証内容に抵触するような事態が生じた場合、次の処置を行う。
@局部の修繕工事
A全部の葺き替え、かけ替え又は張り替え工事
Bその他修繕に必要な施工
(5) 保 証 の 免 責
@次の事項に起因する事故等により生じた欠陥は保証の対象外とする。
1)建物の構造、性質、用途により結露又は自然の消耗、変質・変色その他類似の現象。
2)地震、噴火、台風、暴風雨、豪雨等の自然現象による損傷。
3)下地材の変形、破損に伴う損傷。
4)施工後の外力による損傷。
  イ、火災、爆発、公害など偶然かつ外来の原因によるもの
  ロ、工事検査後、ベランダ、物干しもしくは水槽等を屋根の上に乗せたり、
    アンテナ工事等の為によるもの。
  ハ、多雪地以外の地域において、雪により雨樋が脱落、破損又は垂下った場合
  ニ、植物の成長等が原因した場合
5)所有者又は使用者の著しく不適切な維持管理又は通常予測される使用状態と著しく異なる
使用による破損。
A屋根からの漏水等による屋内部品の損傷に対する補償は損保会社の行う賠償責任保険
 (生産物特約)に加入しその範囲で槙補する。

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3.事故の処理
(1) 苦 情 の 受 付
@発注者からのクレーム等は全板保証センター支部又は施工組合員が受け付ける
  (保証書に連絡先を明記)
A保険機関支部(組合)が受付けた場合は、施工組合員に連絡し、状況の確認と原因調査にあたる。
B施工組合員が受付けた場合は、状況の確認及び原因の調査を行い、保証内容に該当すると判断した
  場合は発注者と協議の上、直ちに修復等の工事を行い、この事を組合を経由して全板保証センター
  にセンターに報告する。
(2) クレーム の 判 定
@事故原因の判定又は処置方法について発注者、施工組合員及び全板保証センターとの間において
  見解に相違がある場合は全板保証センターの判断によって取り扱う。
A全板保証センターは全日本板金工業組合連合会及び社団法人日本建築板金協議会が設置した
  学識者、発注代表者、業界代表などによって構成する事故調査委員会の決定に従う。
(3) クレーム 処 理 の 方 法
@局部の修繕施工
A全部の葺き替え、掛け替え又は張り替え施工
Bその他修繕に必要な施工(審査委員会の指示を含む)
(4) クレーム の 再 発 防 止
全板保障センター及び組合は資料ならびに証者の意見を活用し、相互連帯をはかって事故、紛争等を
未然に防ぐように努力する。

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4.アフターケア
  組合及び全板保障センターは施工にあたった組合員に対し、工事引渡し後に屋根、雨樋などの
点検業務実施の励行を働きかける。
この運動を実践していくことのより、@故障の予防に伴うトラブルの防止 A建築物の機能維持 
C増・改築などの相談窓口などに役立ち、最終的には建築板金業者の社会的地位の向上と営業
  分野拡大にも活用できるものと考える。
5.生産物賠償責任保険の活用
  組合員が施工し、組合が検査して合格と判断し、全板保証センターが「保証書」を発行した工事で、
その保証期間中に不完全な施工が原因で雨漏り等の事故が発生し、顧客等の財物に損害を与えた
場合(例:雨漏りにより天井や壁、カーペット等にシミができた)に備え、責任施工制度の一環として
全板保証センターは損害保険会社と特約契約を結んでいる。
  この保険は、責任施工制度の中に取り込まれているので、組合員が個別に契約するものではない。
(1) 賠 償 保 険 の 内 容
@保険金支払いの対象となる場合
  施工を終了し、保証書とともに、顧客等に引渡した後に組合員の施工上の欠陥により顧客等の
財物に損害を与えた次の場合。
 1)所定の手続きにより、全板保証センターの保証書が発行されている施工物件で保険料が
   払い込まれている場合。
 2)工事が不完全であったことを全板保証センターが認定した故障であること。
A保険料が支払われないもの
1)工事が不完全であったことによる当該工事の再施工費用。
 2)屋根工事及び板金工事の施工業者又は全板保証センターが損害保険会社の不実の通知
   又は故意による通知の遅滞・脱漏れがあった場合。
 3)事故の際、関係者の協力が得られなかった場合。
B保証事項
 1)保証限度額
   ◇1事故  2,000万円(免責1,000円)
   ◇期間中 2,000万円
 ※期間中とは
   対    象 期    間
   屋根の防水 10年以内
   壁の防水 10年以内
   雨とい 5年以内
C保証期間
全板保証センターの発行する「保証書」に記載した保証期間。
但し、引渡し日から起算して次の期間をこえることはない。
 1)屋根の防水   10年
 2)壁の防水     10年
 3)雨とい       5年

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