田んぼ2000年・1年間の総括

 2000年1年間の稲作の作業をまとめてみました。
収穫されたお米は、白米として、発電所横の田では、約300kg、熊がりの田では、2
20kgと昨年より少なくなりました。原因は、病気が出た事と、草取りが不充分であっ
た為と考えられます。
 稲作にかかった費用の内訳は次ぎのようになっています。地代24000円、稲の苗代
26020円、肥料18000円、代かき代28000円、田植えから脱穀までの作業代
40000円、鶏糞2000円、田おこし代16000円、精米送料等7780円の合計
162020円となっています。一方でお米の販売代金は136000円となりました。
26020円の赤字と引き換えに残ったのは、自家用のお米130kgです。

代かき
代かき完了
5月25日田植え完了

7月9日
7月29日
8月10日出穂

8月29日穂が出揃う
10月1日稲刈り
10月7日うしに干す

10月22日脱穀
11月19日鶏糞をまく
11月26日田おこし
                     来年の為の土作り
 11月に入って稲刈りの後片付けをします。稲わらは畑に敷くために一部をとっておき、
残りは刻んで田にまきます。その後高根町にある養鶏場から鶏糞を軽トラックで運んでま
きました。鶏糞の値段はトラック1台わずか1000円です。この後ロータリーをかけて
来年まで寝かせます。こうすれば来年まく化学肥料は、少量ですみます。また化学肥料だ
けでは、土の微量成分が不足するため別の化学肥料が必要になりますが、鶏糞は成分のバ
ランスが最も良いので全ての成分を補給できます。もし全ての成分を化学肥料でまかなう
と1万円以上かかります。よく有機農業はお金がかかると言われますが決してそうではあ
りません。手間がかかるのです。日本は人件費の非常に高い国なので高くつくのです。
          自然乾燥米
 バインダーで刈り取った稲穂は、うしにかけて乾燥させます。それを脱穀してお米にし
ます。これがいわゆる自然乾燥米です。コンバインで刈り取ると簡単にもみになりますが、
機械で乾燥するために味が悪くなります。市販のお米は殆ど機械乾燥米です。
          機械貧乏の嘆き
 機械を使う農作業を殆ど浅川さんにお願いしています。何故なら稲作に必要な、田植え
機・バインダー・脱穀機の3点セットを揃えるのに200万円もかかるからです。浅川さ
んには共同で太陽光発電を行っている関係からお願いしているのですが、機械を持ってい
ない親戚からも田植えなどを依頼されるそうです。その為、田植えや稲刈りの時期には、
自分の休日を返上して農作業をしなければならないそうです。機械の維持管理にもお金が
かかるし、ご本人はいつも俺は「機械貧乏だ」と嘆いておられました。
 10月1日、会議の帰りに田んぼに寄ったら、殆ど稲刈りは、終わっていました。後は
さおに干すだけ(これがけっこう大変)です。浅川さんは、「今日はひどい目にあった。
バインダーの刃が折れて修理代に7万円かかったよ。」と言われました。刃が折れたのは
、草が多すぎる事が原因なのです。今年の夏はイベント等で忙しくて十分に草取りが出来
なかったからです。
           稲刈りを始めました
 10月1日に、発電所の田んぼに行ったら、浅川さんがバインダーで稲刈りをしていま
した。9月30日から10月1日にかけて、蓼科で全国自然保護連合の大会があり、どう
したらダム建設などの無駄な公共事業を無くせるかといった事についてはなしあわれまし
た。そして建設業中心の日本の産業構造を元の農業中心の状態に戻すべきだと言う意見が
出されました。しかしもはや日本には、建設業に代わる仕事としての農業は存在し得ない
のです。
           稲の穂が出ました
 8月10日に田んぼを見に行ったら穂が出ていました。いつもの年より少し早めの出穂
です。今年は生育の悪い部分もあるが収穫は確保できそうです。
        雑草と格闘した3年間
 上の写真は、太陽光発電所横の8aの田んぼですが、ここ以外に14aの田んぼを借り
て耕作していますが、今年で4年目です。田んぼの草取りに追われた3年間でした。特に
2〜3年目が最もつらかった。全く除草剤を使っていないので、過去に抑えられていた草
がいっきに生えてきたからです。昨年は、100時間以上も除草に費やしていた時間が、
今年は手押しの除草器具を使用して10時間程度で済ます事が出来ました。
 田んぼの中は草だらけですが、7月の下旬になると稲がかなり成育しているので、もう
雑草に負ける心配はありません。あとは収穫の秋を待つばかりです。


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