Photo essay

来年のために

来年のために 長野県富士見町にある井戸尻遺跡の古代蓮畑(畑と言っていいか分からないが)がある。 蓮花が咲く頃には近隣から大勢の見物人が集まり、大変なにぎわいになる。

プロアマ引っくるめて今年こそ傑作をとカメラマンもあちこちと動き回っている。 ニコン、キャノン、ミノルタ、マミヤ、ハッセル、オリンパスと書いていったらきりがないほどのカメラの種類である。もちろん銀塩のみならずデジタルカメラも加わっている。

花の時期もとっくに過ぎ去ったある日、10人くらいの人が忙しそうに働いている所に出くわした。 長靴をはき、歩きずらい泥の中で腰を曲げ懸命に草をとっている。

「何をしているんですか?」 「来年のために掃除してるだよ。また来年皆さんにきれいな花を見てもらいたいからね。今日はいいところに来てくれた。こうやって掃除しているところを見てもらって」と言い、そのあと「写真撮ってくれるだあ〜か」とニコッとされた一枚である。

手入れをしなければ毎年きれいな花も咲かない。何事にも素晴らしい結果には陰で人知れず懸命に支える努力がある。開花の時期を待ってその時だけ訪れてカメラに納めていく私自身、作業を見ていて恥ずかしい気持ちになった。
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