つなげる優しさ 応募作品 厚生連検診、人間ドック体験コンクール応募作品(平成27年4月)



受賞には到りませんでしたが、関係者の1人として応募した作品です。検診や人間ドックにる健康管理は健やかに老いるためには是非必要なことです。受診を積極的にして、健康管理に心掛けましょう。

1回「つなげる やさしさ。」健診・人間ドック体験記コンクール応募作品

「健診システムの成熟と今」

990年9月福島県で行われた日本農村医学会において、『農協職場検診のありかた』と題した発表がされました。私は職場検診や人間ドックを受診するなかで、県の農務部に勤務する顔見知りと出会い、健康管理に関する話を聞きました。県の健康管理課では職員の健康管理に関する部署で組織的な健康管理が成されていることを知り、農協にも独自な健康管理をする必要があると考え、所長の指導の基、医師や技師、事務職員合同グループで研究を重ねました。

この研究発表を機会に具体的な推進をと、組織での審議が行われ、職場に健康管理担当者を設置して厚生連と有機的に連携するシステムが構築されました。

このシステムは農協や提携先の市町村健診へも浸透し、職域からも補助金が支出され、検査項目も充実し、その後数多くの市町村との提携検診や職場検診の充実が図られました。その後時代の要請と共に躍進の一途を辿りましたが、関係団体の連携や協力と同時に厚生連の底力を感じます。関係諸氏に心から感謝を申し上げます。
私が厚生連にお世話になったのは、出向職員としての4年間だけですが、その後25年、たゆまない努力が行われ、市町村との提携健診は近代化と共に受診者に対する健診の充実と同時に検診車の排ガスを無くすため発電車の導入により、検診者に優しい環境の提供をして頂きました。私も健康を委ねる一受診者にとして嬉しい配慮でした。

また、健康管理センターの新設や職場検診専門施設の建設と共に女性ドックも導入されました。更にはデジタルマンモグラフィ等近代機器の導入や個人情報保護法にも配慮した検診システム、総合電算システムの導入による関係団体とのオンライン化など、素晴らしい発展を遂げ、厚生連健康管理センターは今や発展段階から、いよいよ成熟期に入った感が致します。

検診システムが成熟した今、今後、個人の健康に即した個別の検査項目を選ぶ検診等、新たな健診システムの開発にも着手したと存知ますが、厚生連の発展の一挙一動が私の関心事でもあり何時も注目をしています。初期段階では20人の人間ドックさえ、大変の時代もありましたが、その施設が今や最新鋭の検診機器を揃え、施設も新しくなり、フロアーもゆったり大きく、各検査室もプライバシーに配慮された独立した検査室を併設して、1日100名もの受診者がスムーズに流れています。

職員も専門的教育がされ、検診機関ではありますが、受診者対して、医師、技師、事務職員等スタッフが一体となり、親切で丁寧な応対がされています。昼食にも工夫がなされ、レストラン並みのさわやか空間で、ゆったりと美味しい食事が頂けますし、心の憩いも演出してくれます。お昼休みに行われる内容豊かな健康教室やイベントも魅力の一つです。

更には、厚生連人間ドックの特徴は、検査室の充実によりその日の内に検査データーが出て、医師や保健師、栄養士による健康指導があるスピーディーな対応システムです。

要精密検査結果については、保健師により追跡調査が行われて、受診後の健康状況までを把握する、これは検診者に優しい、評価できる検診システムだと思います。

私も唯一苦手の検診が胃カメラです。3年程鼻からの楽なファイバーでしたが、昨年から機能的に完備している口からのファイバーに戻しました。多少の苦しさも看護師の介護で軽減されますし、検診後即画像による医師の説明で、涙を拭いながらも納得します。

私は今年で70歳になります。厚生連人間ドックを受け始めて35年、提携検診や職場検診、人間ドックが年々進歩しているのを肌で感じとても嬉しく思います。妻は女性ドックのファンです。

我が家では観光農園を経営していますが、新鮮安全で美味しい果物の提供が職務です。シーズン中は年中無休、閉園となる11月上旬には、何を於いても人間ドック受診が恒例行事です。 健康思考で来年のシーズンに備えます。これもお客様に楽しみ喜んで頂く為の心ですが、リピータを増やしたい。その心は検診と共通した目標です。

行政からドックに対する補助金も恒例化され、受診経費の面からも大変助かります。お陰様で大きな病気にもかからず、妻と共に今日に到っておりますが、人間ドック受診は、疾病の早期発見と共に生活習慣病に対する意識や、健康管理上欠かすことの出来ない重要行事です。

厚生連人間ドックも今や、新たな時代の検診システムに向かっての段階を迎えています。
先日山梨日日新聞にAICSが掲載されました。採血だけでがんリスクを評価する方法です。血液中に含まれる20種類のアミノ酸濃度を測定・解析し、そのバランスの変化から、がんの可能性を探る検査方法で、国内でも行う施設が増加し、県内でも既に何施設か導入しています。

また、人間の遺伝に重要な役目を果たす染色体、この配列とともに傷ついた染色体を発見することにより、特定のがんになる可能性を測定する方法も発見されて久しいですね。

アメリカ、ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーさん(37)が乳がん予防のために、両胸の乳腺切除を受け話題になり、最近更に、卵巣がん予防のため卵巣と卵管摘出が報道され再び驚きました。「多くの女性が遺伝子検査を受けて、リスクが高かったならば、強力な選択肢があることも知りました。これも検診に関わる新事実です。今後、遺伝子検査と共にコストに関しての研究も更に進むことでしょう。

低コストの研究については、先日、「がん、線虫で発見、検査費は100円」の見出しが躍りました。これは九州大学などの研究グループで、米科学誌電子版に発表されたものですが、がん患者の尿には特有の臭いが有り、がん患者の尿に犬並みの嗅覚を持つ線虫が集まると言う事例で2019年の実用を目指すそうです。

これからも色々な面で新しい研究がされると思いますが、厚生連健康管理センターが山梨、そして日本の健診システムのパイオニアとして益々発展し、『伸ばそう健康寿命』のスローガンとともに受診者の健康管理に貢献されんことを期待して止みません。(終わり)