東京電力株式会社 代表取締役 勝俣恒久 殿 2004,6,17 東京電力株式会社第80回定時株主総会に対する質問書 株主 大友 哲 1.昨年の4月に、電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(以下R PS法と表記)が施行されましたが、それに関していくつかお尋ねします。 (1)RPS目標値の達成状況について 電気の利用目標値は、平成15年度は0.87%となっていますが、当社の達成状況は 何%で、何kWhですか?また風力やバイオマス等の種類別の購入電力量をお知らせ下さ い。またゴミ発電の内バイオマス換算分もお知らせ下さい。 (2)北海道と本州を接続する送電線の増設・増強について 北海道は風力発電に適した場所が多く、多くの発電事業者が参入希望を持っているよう です。一方で北海道電力は系統容量を理由に受け入れの上限を25万kWとしています。 また同社はRPS法の目標値を既に達成しているため、環境価値部分を除く電力価値のみ としています。そしてRPS法適応分の売電先は主に東京電力となります。当社にとって は、北海道内の風力発電事業者からコストの安い電力を購入することは、有利であると思 われます。そして北本連系設備の増強は風力発電の受け入れ可能量を増加させる効果があ ると思われますが、増設の検討は行っていますか?特に北海道側の電圧と周波数変動を少 なくするためのFAC(自動周波数制御機能)の増強です。 (3)太陽光発電を設置したお客様へのRPS法の同意の要請について 先日、公正取引委員会から電力各社に指導が行われ、お客様に十分な説明を行うように 注意されました。事実上地域内の電力会社にしか売電出来ない状況では、同意を強要する ことは独占禁止法違反になる恐れがあるという事です。RPSの環境価値のみ他社に売る ことが出来ることを説明して同意を得ていますか? (4)3相低圧電力の売電価格について(太陽光発電の環境価値価格について) 私が当社に売電している、18.5kWの太陽光発電設備の電力価格は販売単価と同額 の9円kWhですが、単相電力の場合は29円kWhと同じ電気でありながら3倍以上の 開きがあります。この問題は以前から質問しても納得のいく回答が得られないのですが、 今回RPSが施行されたのを機会にして、太陽光発電の環境価値部分の価格はkWh当た りいくらかを明確に提示していただきたいと思います。そして私のように事実上全量売電 している場合は、新たな料金体系を早急に決めていただけませんか? 昨年韮崎営業所より、私の太陽光発電所の同意の署名を求められました。単相電力は売 電単価が高いので同意致しましたが、3相電力は非常に安いので同意しませんでした。他 に高く買ってくれるところがあると考えたからです。ところが韮崎営業所から同意されな いと売電単価が1kWh6円と更に安くなる可能性がある旨脅されました。現状では新規 契約分とご説明を受けました。今年の6月11日に、太陽光発電普及協会の井口氏の呼び かけで行われている経済産業省との定例の話し合いに参加しました。その席で電力の環境 価値部分の価格は、当事者間の合意で決めるとの事でした。また合意が得られなかった場 合は、既存の契約を継続するとの事でした。したがって今後とも協議を継続して、余剰電 力購入メニュー以外の方法で契約したいと思いますので、本社でご検討いただき、韮崎営 業所にご指示下さい。お待ちしております。 2.取締役と株主の関係についてお尋ねします。 開催ご通知の21ページの最後にに記載されているご意見は一般論としてもっともな事 だと思います。ただしそれは社会通念上常識的判断が出来る取締役会である場合です。東 京電力に限らず、日本の電力会社の取締役会は民間企業とは思えない、非常識な人たちの 集まりだと思います。何故普通に経営判断して行動出来ないのでしょうか?私はここの株 主総会に1992年から連続12回も欠かさず出席していますが、他の株主からの質問も 含めて納得できる回答が行われたことはありませんでした。特に事実上破綻している国の 核燃料サイクル政策に関しては、ごく普通に経営判断して止めると決めることは出来ない のでしょうか。?こだわる理由は何なのでしょうか?こんなに変われない会社ならいっそ の事債務超過になって破綻してしまえばと思うこともあります。そのほうが株主としては 楽だからです。つぶれない会社だから困るのです。取締役の皆さん失うものは何もありま せん、私も株主として全てを失う覚悟は出来ています。社会的正義のため勇気のある決断 をお願い申し上げます。 〒407−0301 山梨県北巨摩郡高根町清里3545−3902 0551−48−3822 e-mail:satoruot@eps4.comlink.ne.jp