2006年東京電力株主総会への質問と回答
2006年6月28日開催
 東京電力株式会社
 代表取締役 勝俣恒久 殿
                                   2006,6,15

          東京電力株式会社第82回定時株主総会に対する質問書

                                     株主 大友 哲

 1.RPS法の義務量見直しについてお尋ねします。
 昨年、義務量の達成が前倒しで行なわれ今年度以降の義務量の見直しが行なわれました。しかし
2010年度の義務量の1.35%は見直されませんでした。日本の自然エネルギー導入量の目標
はヨーロッパ諸国に比べて少なく、2010年度の義務量は少なすぎると思いますが、目標値を増
やすお考えはありませんか。またその回答に対する理由もお答え下さい。

 2.太陽光発電からの余剰電力買取価格についてお尋ねします。
 以前にもご回答頂いた内容です。今後は「電力販売価格と同額」と言う有利な条件は変更になる
という事ですが、いったいいつ頃どの程度の導入量になったら余剰電力の買取価格が値下げになる
かお答え下さい。
 この質問は第7号議案とも関係する重要な質問です。私は以前から太陽光発電の余剰電力の買い
取り価格が契約種別により9円/kWhから30円/kWhまで3倍もの開きがある事に疑問をぶ
つけてきましたが、納得が行くご回答が得られませんでした。本来は電力の価格は競争原理で決ま
ると考えます。また自然エネルギーの導入目標値を高くすれば価格が高くなるものです。ですから
2010年に1.35%と言う低い目標値ではなく、2010年に5%、2020年に10%と言
う高い目標値を設定して頂き、市場原理で買取価格を決めて頂きたいと考えます。また、設備投資
の回収に20年以上を要することから20年間の長期契約もお願いします。
 事前に買取価格の値下げ時期を明らかにする事により、太陽光発電の駆け込み需要を促し普及が
促進するとも考えます。例えばいつまでに設備を設置すれば、20年間有利な条件で売電出来ると
言う様にしたら良いと思います。

 3.小水力発電からの余剰電力買取価格についてお尋ねします。
 10kW未満の小水力発電は系統連系の技術も開発途上にあり、大型の設備に比較してコスト高
になっています。一方で電力の買取価格は約8円/kWhと非常に安い価格を提示されています。
太陽光発電と同じような有利な価格で、電力を買い上げて頂く事は出来ないでしょうか?

 4.光ファイバーを用いた通信事業についてお尋ねします。
 当社の通信事業をKDDIと統合するという事ですが、どのようなメリットがあるか分りません。
具体的なメリットをお答え下さい。また山梨のような地方でもKDDIに独占的に光ファイバーを
提供するのですか?
 都市部においては、他の通信事業者との競争が激しいために今回の統合は効果があるように思い
ますが、地方では逆にサービスの切捨てにつながるように感じられます。いずれは地方の隅々まで
100%FTTHが普及すると期待していますが、その時期についてお答え下さい。
 山梨のような地方では、NTTによる独占状態です。例えば地方のプロバイダーへ光ケーブルを
開放して競争促すことは出来ませんか?
                                                                                    以上


東京電力からの回答
RPS法に関する質問について。
 「新エネルギー等電気」の利用の義務量は、RPS法に基づき、国によって定められることとな
っている。平成22年度における全国規模の義務量122億kWhは、平成16年度の実績値の約
2.5倍に相当し、大変厳しい数値であるが、当社としては、今後とも新エネルギーの普及促進に
努め、定められた義務量の達成に努めていく所存。
太陽光発電からの余剰電力購入に関する質問への回答。
 太陽光発電からの余剰電力を購入する際の単価の見直しについては、今後のコスト低減状況や技
術開発の進展状況等を踏まえながら判断していく。
 余剰電力を購入する際の契約期間については、今後とも、お客さまへの電気の販売と同様に1年
間とさせていただきたいと考えているが、契約は、お客さまと当社の双方に異議がなければ、契約
期間満了後も1年ごとに同一条件で継続されることとなっている。
小水力発電からの余剰電力購入に関する質問について。
 購入単価は、お客さまからの提案内容をもとに、個別に協議のうえ、設定している。なお、太陽
光発電については、商用化が十分に進展するまでの間、その普及促進に最大限協力していくという
観点から、お客さまに販売している電力量料金単価と同等の価格で余剰電力を購入してきているも
のであり、小水力発電からの余剰電力購入について、必ずしも太陽光発電と同様に取り扱うことは
できないと考えている。
情報通信事業に関する質問への回答。
 当社の光ファイバを用いたFTTH事業については、KDDI株式会社に統合する方向で検討を
行っているところであるが、当社の高品質な光ファイバネットワークとKDDI株式会社の大容量
コンテンツ配信網を組み合わせることにより、商品力・価格競争力のあるサービスを提供できると
考えている。
サービス提供エリアに関する質問については、山梨県では、現在、笛吹市と韮崎市の一部でサービ
スを提供している。サービス提供エリアについては、お客さまのニーズや事業性等を勘案しながら
順次拡大していく予定。具体的な計画は、今後KDDI株式会社と協議のうえ、決定していくこと
となる。また、提携プロバイダについても、順次拡大していきたいと考えている。

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