東京電力株式会社 取締役 会長 田村 滋美 殿 取締役 社長 勝俣 恒久 殿 東京電力株式会社第81回定時株主総会に対する質問書 株主 浅川 初男 1.原子力発電についておたずねいたします。 東京電力が所有している原子力発電所からの廃棄物の処理についておたずねいたしま す。 東京電力が所有している各原子力発電所からの核廃棄物(使用済核燃料を含む)は、 安全管理のもとで自然界に影響のない方法で処理していると一部報告しているが、低 レベル廃棄物については昨年の株主総会でお答えいただいたが、高レベル廃棄物、使 用済核燃料等をどのように処理し、最終的に自然界に安全な形で物理的処理を行なっ ているのか2005年現在の進捗状況を御説明ください。また、報道機関等を利用し、 高レベル廃棄物の地中保管を示唆しておりますが、地震や地殻変動にともない保管場 所が倒壊や破壊された場合、それらの物理的処理等に対して復旧作業員が防護服無し でどれだけ近付けるのか、また、処理後等の廃棄物の集積場所や中間貯蔵施設内にに どれだけ職員等が滞在でき作業できるのか安全面の立場から御説明ください。 2.技術力の低下傾向についておたずねいたします。 東京電力管内でも、JR西日本のように大事故をおこしても、責任所在のハッキリし ない現場軽視の営業形態が東京電力株式会社内でも進行しているのではないのですか。 某電力会社の技術協議の場では、系統連系にともなう技術協議に必要な書類を提出し たところ、担当者が変わりましたので、今までの技術検討書類の提出では、内容が不 十分として、新たな書類の提出を求められたり、前回の提出書類の説明を求められた りした場合があり、技術協議現場や受け付け部署において、系統連携系技術指針の内 容を理解していないともとれる問合せがあり、確認したところ新旧交替の担当社員の 技術能力の低下と社内の申送り事項の引き継ぎが適正になされていないことが判明い たしました。 東京電力株式会社の社内では、社員の配置転換時に、それぞれの部署に必要な技術的 教育や引き継ぎをどのように行ない、担当社員の資質の向上にどのように努めている のですか御説明ください。 3.環境汚染についておたずねいたします。 東京電力株式会社のホームページを拝見すると、環境に対する取り組みが紹介されて おりますが、環境報告書が紹介されておりません。 環境報告書には、事故等が発生した場合の想定される危険区域や対処方法が示されな くてはならないはずであるが、ホームページの環境に対する取り組みでは、施設周辺 地域における住民等や職員に対して危険性に対する一切の報告や警告がされておらず、 事故等に対する対処方法がありません。これらから推測するに東京電力株式会社所有 施設では、周辺に危害を及ぼす想定施設は所有していないと取れるが、JR西日本の ようにあってはならない事故が発生する場合があり、事故を起こさないことを前提に したシステムでも事故が多発する傾向に有り、大規模な環境汚染の発生が容易に予測 できる時代になり、事故発生を危惧する人々も多く、大規模システム技術力にも陰り が見隠れしておりますし、それらの現場で働く従業員の安全確保対策が具体的に報告 されていませんし、施設周辺地域にも報告されておりません。従業員及び周辺住民の 事故に対応する安全な対処方法をお答えください。また、そのような施設において、 環境汚染をおこした場合の責任の所在は何処で、誰がどのように責任を取るのか、各 部署の責任の所在をハッキリすることにより、大規模システムの安全性の向上と信頼 の向上につながると思います。 会社の責任は誰がどのように責任を取るのか各担当役員の役割を御説明ください。 4.送電線網新設予定についておたずねいたします。 地球温暖化阻止の観点から、循環型エネルギー社会の必要性が求められており、地球 環境に優しいとされている自然エネルギー利用発電による電力の確保が今まで以上に 求められております。東京電力管内では、自然エネルギー利用発電に適している適地 が乏しく、自然エネルギー利用発電にも限界が有り、地球温暖化防止の為に必要とさ れている環境価値の高い電力を利用するには、日本列島に点在する自然エネルギー利 用発電適地とを結ぶ電力網の開拓が必要になってまいります。 日本列島では、北海道が風力発電による自然エネルギー利用発電の最適地であります が、北海道で発電する自然エネルギー利用発電により有り余る電気を、地球温暖化防 止に東京電力管内で使用する考えはありますか、また、北海道と本州を結ぶ電力網の 整備を地球温暖化防止の観点からどのように考えておられるのか御説明ください。 5.CO2(二酸化炭素)の排出権取引についておたずねいたします。 私どものところでは、RPS法に従い、自然エネルギー利用発電を行ない東京電力に 供給しておりますが、「太陽光発電設備の系統連系に伴う電力供給に関する契約要綱」 において、電力の需給契約を実施しておりますが、 20 協議事項 「 本要綱に定めない事項、または本要綱により難い特別事項が生じた場合は、発電 者および当社は誠意をもって協議し、その処理に当たるものといたします。」 となっておりますので、御伺いいたします。 18環境に係わる付加価値の帰属 「 需給電力は、当社が、「電気事業者による新エネルギー等のリように関する特別 措置法」における新エネルギー等電気として利用するものとし、発電者は、当社に対 しこれに必要な協力をするものといたします。」 となっておりますので、RPS法に帰属しない「CO2排出権取引」についてお訪 ねいたします。 私どもは、自然エネルギーを利用した発電により、CO2(二酸化炭素)を発電時に 発生せずに発電し、クリーンな電力を現在東京電力に供給しております。このことか ら、自然エネルギーを利用し発電した電力には「CO2排出権」が発生し、RPS法 では環境に係わる付加価値として、環境価値が供給電力単価に含まれておりますが、 「CO2排出権」はRPS法に含まれておりません。 私どもは、自然エネルギーを利用した発電で発生する「CO2排出権」を自然エネル ギー発で発電した電力を現在買取っている東京電力株式会社に「CO2排出権」を国 際価格で買取を希望いたしております。 「CO2排出権取引」についてどのように御考えでしょうかお答えください。 18 環境に係わる付加価値の帰属 需給電力は、当社が、「電気事業者による新エネルギー等のリように関する特別措 置法」における新エネルギー等電気として利用するものとし、発電者は、当社に対し これに必要な協力をするものといたします。 以上の条項で、「CO2排出権」も東京電力にに帰属するとした回答の場合は、RP S法及び独占禁止法にふれ、前回の公正取引委員会の裁定で「注意」が出ているので、 提訴があった場合は、業務に支障が生じる恐れがあるので、株主としても、注目して おるところでございます。 ◎終わりに 近ごろは、大規模システムにおける重大事故が多発傾向にあり、発電所を起点とす る大型プラントを所有する企業として危険リスクはできるだけ排除し、ゆとりあるプ ラント運転ができる健全な企業運営をめざし、涼をよぶ企業であって欲しいものです。 これから到来する循環型社会に適応し、大自然の力と一般の力を利用した自然エネル ギー発電等の利用を進め魅力ある企業として舵取りをお願いいたします。 自然エネルギー利用の発電には、微力ながら協力させていただきます。 東京電力山梨支店・韮崎営業所の方々には、いつもお世話になっておりますが、今 後とも末長くよろしくお願いいたします。 浅川太陽光発電所に関してはホームページをご覧ください。