東京電力株式会社 2004.06.07 代表取締役 勝俣 恒久 殿 東京電力株式会社第８０回定時株主総会に対する質問書 株主 浅川 初男 １．原子力発電所の運営についておたずねいたします。 (1) 原子力発電所を運転していると廃棄物が発生いたしますが、昨年お答えいただいた 廃棄物に関する回答は、低レベル放射性廃棄物の処理方法のみの回答となっており、核廃 棄物の処理方法を示したものではありませんので再度御伺いいたします。 原子力発電所から排出される核廃棄物の安全処理方法をお答えください。 ?． 原子炉から排出される使用済み燃料の安全処理方法について。 ?． 運転中の原子力発電所から発生する核汚染物質の安全処理方法について。 ?． 原子力発電所敷地内から発生する核汚染物質の安全処理方法について。 (2) 原子力発電所敷地内の屋外でコバルト６０が検出された報道があったが、前回の回 答では、原子炉を収納している建物からの放射性物質の漏れは考えにくいとの回答であっ たが、実際に自然界には存在しない放射性物質が検出された実例が存在したわけで、放射 能汚染物質の管理体制は、東京電力の原子力発電所は大丈夫なのかお答えください。 ２． 原子炉の老朽化についておたずねいたします。 東京電力の所有している原子力発電所も安全運転に必要な対応年数が過ぎようとしていま すが、つぎはぎの修理を行いこのまま運転を続けるつもりですか。 私どもは、経済産業省より対応年数の過ぎた（使用に耐えない、安全運転に問題がある） 原子炉は廃炉とし、廃炉となった原子炉は撤去する方針であると伺っている。 また、「原子炉撤去に伴う費用は、高レベル核廃棄物どうよう、汚染物質を排出する原子 力発電所を所有している電力会社が出すべきである」と伺っている。 (１) 原子炉撤去にともなう核汚染ゴミや解体後の資材に対して、汚染度が低いものは一 般廃棄物として処理する方針が決定されているが、東京電力はこれを支持し、自然界に存 在しない核廃棄物で汚染されている場合に、汚染度が低ければ一般廃棄物として処理を行 うのか、それとも東京電力として国の基準より高い基準を自社で決定し、自然界に存在し ない核物質により汚染されたものは排出しないなどの方策をとる用意があるのかお答えく ださい。 (２) 原子炉撤去費と高レベル放射能廃棄物処理費を同時に必要とする時期が到来するが それら必要費用をどのように支出するのか、今回の件に対しても国は原子力発電所を持っ ている電力会社が負担すべきものと伺っている。対応や対策方法はどうするのかお答えく ださい。 ３．「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」（ＲＰＳ法）の遵守 について御伺いさせていただきます。 先般５月１４日の新聞紙上で、電力各社に対して公正取引委員会からの「注意」が掲載さ れましたが、東京電力に対しても４月の１４日、１５日、１６日のいずれかの日に口頭に よる指示があったのにも係わらず、独占禁止法違反に該当する事項がそのままになってい る。東京電力は、公正取引委員会からの「注意」を真摯に受け止めて対応するのかそれと も「注意」なので受け流すのかお答えください。 (１) 「注意」の内容に契約に関する注意事項がしめされたはずですが、東京電力は平成 １５年１２月１日から従来からの契約を破棄し、太陽光発電設備の系統連系に伴う電力受 給に関する契約要綱として、太陽光発電設置者と売電・受電に関して直接契約書を交わす ことを取り止めましたが、これは公正取引委員会の「注意」に触れる事項であり、早急に 太陽光発電設置者と契約書の締結が必要と思われるが、東電の判断をお聞かせください。 (２) 「太陽光発電設備の系統連系に伴う電力受給に関する契約要綱」の内容で、明らか にＲＰＳ法違反と思われる部分が存在するがそれらを訂正し正しく運用する必要があるの ではないでしょうか。特に次の条項についてお答えください。 １８ 環境に係わる付加価値の帰属 １９ 自給契約書の作成 ２０ 協議事項・・・・（協議の必要性があるにも係わらず行っていない） 以上３項目は、公正取引委員会からの「注意」にふれ、独占禁止法に該当するおそれが高 いと思われる。株主としても損益を考えると訂正の必要があると思うが、東京電力の見解 をお答えください。 ４．「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」（ＲＰＳ法）の運用 についてお答えください。 ＲＰＳ法に従い東京電力に私どもの太陽光発電所から発電した電気を供給しておりますが 実際に供給した電力の利用価値がどのように利用されたかをお答えください。 また、新規に自然エネルギー発電所からの電気供給が要望された場合は、どのように対応 して行くのかをお答えください。 （１）ＲＰＳ法の省令で自然エネルギー発電所等からの新エネルギー等電気の供給を受け ているわけであるが、各自然エネルギー発電所等からの実際の利用量の報告を各自然エネ ルギー発電所等に対して報告の義務があると思うがいかがなものか？お答えください。 （２）実際に太陽光発電所から電気を供給している私しとしても、太陽光発電所からの電 気がどのように利用されているのか興味があります。どのように事務的処理を行い、新エ ネルギーとして東京電力がどのように利用しているのかをお答えください。 （３）電力自由化の流れにともない、他の電力会社管内の太陽光発電所から東京電力にた いして、自然エネルギー利用の太陽光発電所からの発電電力を供給したいとして、東京電 力に対して供給の要望があるように伺っているが、東京電力は自然エネルギー発電を利用 したそれら自然エネルギー利用発電所等からの電力の供給をどのように受け入れて行くの かお答えください。 （４）今後増えると思われる自然エネルギー利用発電所等の小規模発電事業者の活用や育 成をどのように考え、電力自由化にのぞむかをお答えください。 ５．営業所窓口対応等についてと、各支店及び営業所間の格差について質問いたします。 （１）私どものように、直接の連絡体制をとっていただいている事業者は良いのですが、 一般の消費者が夜間の緊急事態に連絡をとる場合に夜間緊急の電話をすると音声メッセー ジが流れ、音声メッセージにしたがって連絡番号に連絡するとはるか彼方の場所につなが り不安であったと連絡者から伺っておりますが、不安を無くすような対策をとっているの でしょうか。 （２）複数の支店や営業所に対して同時に住宅用太陽光発電の設置申請を行ったところ、 ２日ぐらいで対応するところから、１ヶ月以上かかるところがあり格差が見られました。 時間がかかったところの理由は、住宅用太陽光発電の設置申請が沢山かさなったため等々 などと言って、数をあげて言っておられたが、申請に時間がかからなかったところにその 数をあげて、たずねたところ、この数では１週間で処理できますと言っておられました。 色々な理由をあげて、ある窓口では、申請者に対して１ヶ月待つのが普通と豪語した窓口 対応には、おどろきました。ここ山梨支店管内では考えられません。 申請に時間がかかった窓口に対して、支店経由で確認すると、数日で対応した。又、申請 者に対して遅れの説明で「固有の問題があるので窓口を指導した」の報告がなされたが、 前回の株主総会でＲＰＳ法の説明について質問したが、回答では、各営業所が同一内容で 処理すると伺っているが、申請にはこのような地域格差が存在するのはいかがなものでし ょうか？ お答えください。 （３）電力の自由化がすぐそこまで来ています。電力会社は個々のお客さまと直接取引を 行っているのであって、不特定多数のお客さまを対象に事業を展開しているのではありま せんが、お客さまが満足される電力供給を行う義務があり、その義務を放棄するようなお 客さま（申請者）に対する接客姿勢では、不特定多数のお客さまを対象に事業展開した場 合はお客さま（消費者）は、契約を継続しなくなります。 ある意味地域独占的権限で、電力の供給を行っている現在と、電力自由化になった場合は 一部の部分を除き、市場原理の上で一般消費者が、電力会社を選ぶことができるようにな るのです。三菱自動車会社と同じでは株主として困るのです。それらをふまえて、経営戦 略をお答えください。 ◎終わりに 今回、公正取引委員会からの「注意」がなされているのでＲＰＳ法を正しく理解し、自 然エネルギー発電等に対して、自ら率先し電力の自由化に対応する必要があると思われま す。原子力発電については、核廃棄物処理に技術的に未開発の部分が存在し、処理作業を 始めたならば永遠に管理作業が必要となり、その維持経費は莫大なものとなり、健全な企 業運営に影響を及ぼすと思われます。企業として危険リスクはできるだけ排除し、健全な 企業運営をめざし、涼をよぶ企業であって欲しいものです。これから到来する循環型社会 に適応し、大自然の力と一般の力を利用した自然エネルギー発電等の利用を進め魅力ある 企業として舵取りをお願いいたします。 自然エネルギー利用の発電には、微力ながら協力させていただきます。 東京電力山梨支店・韮崎営業所の方々には、いつもお世話になっておりますが、今後と も末長くよろしくお願いいたします。 浅川太陽光発電所に関してはホームページをご覧ください。 http://www.mt8.ne.jp/sun/ 〒409-1502 山梨県北巨摩郡大泉村谷戸6539 ?・Fax 0551-38-3118