東京電力株式会社 代表取締役 勝俣恒久 殿 ２００３，６，１９ 東京電力株式会社第７９回定時株主総会に対する質問書 株主 大友 哲 １．報告書の６ページ、設備投資の内容についてお伺いします。 建設中の発電・送電設備は、昨年と全く同じ内容が掲載されていますが、工事の進捗状 を答えて下さい。昨年６月２６日の山梨日日新聞によれば、葛野川発電所は、工事事務所 を閉鎖して工事を休止すると報道されていました。それにもかかわらず、株主に対する報 告書には建設中と説明しています。事実を正確に伝えていただきたいと思います。現在工 事中か休止中か、そのおおよその進捗率％（金額ベース）を答えて下さい。 ２．設備投資総額６７２１億円の内訳につていお答え下さい。６ページに掲載された主な 設備はそのうちいくらですか。それ以外の設備投資は新規ですか、修理ですか、主なもの を項目毎にお答え下さい。 ３．自己株式取得に関してお尋ねします。株式市場からの自己株取得の可能性はあります か。また行う場合はその条件についてお答え下さい。例えは株価が１株株主資本を下回っ た場合等を答えて下さい。 ４．使用済核燃料再処理引当金の今後の取扱と収支の見通しについてお尋ねします。 昨年の回答では、使用済み核燃料の直接処分は考えていないとの回答でしたが、核燃料 サイクルの現状を考えると、全量再処理は不可能と思われますが、今後の見通しと新たな 費用が発生する可能性に関してお答え下さい。 ５．核燃料サイクルの確立にこだわる理由に関してお尋ねします。 昨年の原子力の不祥事を契機にして、新しい体勢になったのにもかかわらず、取締役会 の考え方は核燃料サイクルの確立で一致しています。核燃料サイクルの推進の言葉を聞く たびにあなたがたは馬鹿で頭がおかしいのではないかと腹が立ちます。現在の核燃料サイ クルの進捗状況はかなり実現困難が予想されます。したがって企業の経営者としては、経 済産業省に計画の見直しを相談するのが得策かと思いますが、それとも核燃料サイクルの 推進にこだわる理由があるのですか、例えば「建設業界との関係を続けたい」等の理由が あるのですか。 ６．自然エネルギー発電の進歩を恐れる（阻害する）理由についてお尋ねします。 今年の４月にＲＰＳ法が施行されましたが、本来の目的は、自然エネルギーにも競争原 理を導入して、その発展を支援する法律ですが、電力業界の対応は違うようです。先日韮 崎営業所より、私の太陽光発電所の同意の署名を求められました。単相電力は売電単価が 高いので同意致しましたが、３相電力は非常に安いので同意しませんでした。他に高く買 ってくれるところがあると考えたからです。ところが韮崎営業所から同意されないと売電 単価が１ｋＷｈ６円と更に安くなる可能性がある旨脅されました。現状では新規契約分と ご説明を受けましたが、非常に残念です。風力発電の場合は更に安いようです。 核燃料サイクルはどんなに採算が悪くても実現を目指すのに何故自然エネルギー発電は 、進歩を阻害するのですか、理由はやはり建設業界との関係ですか。それとも建設業界か らの報復を恐れているのですか。 ７．ＮＧＯ等団体への寄付金についてお尋ねします。 ５月に「太陽光発電所ネットワーク」と言う会が発足しましたが、その会の準備段階か ら、毎年５０００万円もの寄付金が投入されるそうです。私も何度か会合に参加し、山梨 の地区会議もお手伝いしました。げんじょうでは年間３０００円の会費を払って参加する 会員は数百名程度だそうです。やはり会費が高いのがネックのようです。会の予算案を見 ると約５００万円の会費収入に対して東京電力からの寄付金は５０００万円とアンバラン スに見えます。寄付金は５００万円以下が妥当と考えます。また他の団体との関係につい てですが、先日、山梨県内で市民太陽光発電所の活動が始まりました。その団体は、東京 電力に補助金を申請しましたが、お寺の屋根は公共施設ではないので断られたそうです。 その他にも太陽光発電普及協会と言う歴史の古い会もありますが、全く無視されていて意 見も聞いてもらえないようです。このように太陽光発電に関する市民活動に対しての寄付 を何故不公平に行うのでしょうか？ご説明下さい。 ８．自由競争原理に関してお尋ねします。 東京電力という会社はどうも自由競争原理の導入に消極的の様に見えます。５〜７の質 問にも共通して言えることですが、市場での独占に甘んじて、談合体質がしみついている ようです。社員の方々も、入社してしまえば年功序列で終身雇用が保障され、緊張感が見 られません、取締役会のメンバーも同年代の男性ばかりです。もっと自由競争を取り入れ た大胆な人事や、経営ができないのですか？ご説明下さい。 〒４０７−０３０１ 山梨県北巨摩郡高根町清里３５４５−３９０２ ０５５１−４８−３８２２ e-mail:satoruot@eps4.comlink.ne.jp