羽 衣 洋 蘭 園
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               4月12日(火) あーる・ぬーぼー

先日、清里にある北澤美術館に行って来ました。愛知から生産者のお客さんが見えられたので、「花だけでなく、他のモノを見て回りたいな・・・」との思いから、一日掛けて、アートや建築など、いろいろなものを見て回りました。その一軒が北澤美術館です。

はじめに、北澤美術館の説明ですが、農家の皆さんには大変なじみの深い、ある道具を作っている会社の運営する美術館です。

『さて、何を作っている会社でしょか?』


実はバルブです。≪KITZ≫というマーク!農場のかん水バルブのコックについてませんか?これは北澤バルブといって、ここ八ヶ岳が出身の会社です。私たちが花に水をやる時に大変お世話になってますよね。農家には本当に縁のある会社が、社会貢献の一環として財団法人をたてて、このような美術館を所有しています。

前置きがながくなってしまいましたが、この美術館にはガラスの花器や壷のようなものがたくさん飾られています。しかし、ただのガラス製品ではないんです・・・。

この写真を見てください。

@ A

B C
これは1900年前後のおフランスはナンシー地方でエミール・ガレやドーム兄弟によって作られた作品です。細かな植物の描写がなんとも日本チックだと思いませんか?これが私も何となく耳にした事があったアールヌーボーの片鱗です。

アールヌーボーは「新しい芸術」を意味するフランスの言葉で、日本の自然観や草花をモチーフにした流動曲線を主体に、手作りの良さを表現したものです。建築から写真のような工芸品に至るまで一つのブームを巻き起こしたそうです。アールヌーボーは形を変えて後世に伝わってゆきますが、悲しい事にこれ自体の盛り上がりは長くは続かなかったそうです。

美術館にはこのようなアールヌーボーの作品がたくさんあるのですが、何とも当時のパワーやウネリみたいなものを、私はそこでドーンと感じてしまった訳です。

@、Aがガレの作品。B、Cはドーム兄弟の作品です。ガレは有名な方らしいですね。元植物学者で、このガラス分野の先駆者です。ドーム兄弟の作品はそのほとんどがパステルトーンでした。描写だけでなく、色までもジャポネスクの影響を受けていた事がわかります。

いや〜、美術館には進んで足を運ぶべきだと言う事を、改めて感じました。決して大きな美術館ではありませんでしたが、見る人への仕掛けや配慮があらゆるところに散りばめられています。

この美術館は、写真のエントランスから一階と二階に分かれます。1階は壁面いっぱいの大きなガラス窓を使用し、自然光で!二階は、そのまったく逆の暗室で照明効果を利用していました。エントランス自体もシンメトリ効果を取ってありいい感じでした。写真撮影も可能だと言うところも嬉しい限り・・・・・。

最近は、建築家の安藤忠雄さんにも興味を持ちましたが、安藤氏が美術館を多数手がけているという事もあって、よりいっそう美術館に強い関心を抱くのでした。


                     

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